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記事本文は、1234になります。
なお去年の記事になります。

 民主党は円高のメリットを活用する戦略が目立ちますが、円高を是正されることなく行われた場合、資源のない日本の場合、高く売りつけることができるものがなくなるので、賃金割高感がもろに響き、賃金下落や雇用悪化がするばかりです。
 円高を追い風にしてM&Aを進められる企業はごく一部にすぎません。
 海外の投資や海外への進出などにより企業が海外に持つ資産が増えると、この資産からの利息や配当収入が増えることで更なる円高要因となります。円高要因の下では、国内の従業員や下請け企業を中心とした国内市場の合理化が進むことにより内需が縮小するため、企業は海外に持つ資産が増えたり輸出が増えたりします。なお、輸出の拡大も貿易黒字により円高要因になります。つまり、外需拡大、円高、国内市場の合理化、内需不振の悪循環となります。したがって、企業の外需拡大は、会社全体では成長するが、国内市場の不振を海外事業でカバーすることになるので、国内の従業員や下請け企業は犠牲となり、国内の雇用を拡大できなくなります。
 また、デフレ経済下で規制緩和が実施された場合、一時的には投資が増加して経済拡大となりますが、中長期的には供給過剰がさらに拡大して各企業が低収益に見舞われことになるため、市場の淘汰が開始して退出する企業が続出するので、デフレがより加速させるなので、円高対策とは言い難いです。細川政権、羽田政権、村山政権が円高対策として用いて価格競争性を高めて乗り切ろうとしたが、デフレスパイラルに陥っただけにすぎないことからも円高対策ではない裏づけもあります。
 日本の場合、資源がないために円高になれば賃金割高感が響くので、産業構造の転換でも限界があります。
 円高を放置して貿易自由化に踏み切ることは、円の騰落率は世界でもかなり高く、通貨安の国で生産したほうが利益になりやすいために、日本の資産が海外に食われやすくなるだけです。TPPの場合、参加が考えられる国の通貨の中では、円の騰落率がダントツに高いために、貿易自由化路線の弊害がより鮮明な形体と言えます。なんでもかんでも貿易の自由化をした場合、輸出が伸びるので円高が進んでしまい、デフレを促進させてしまいます。したがって、お互いの国にとって利益になるような貿易を必要とし、貿易黒字もODAの額に見合うだけでよいと考えます。
 日本は欧米の主要国と比較して、企業の負担率は低いです。また、法人税を減税することは、ビルトイン・スタビライザー機能を低下させるだけにすぎません。このデフレと円高ではリスクが高いために法人税減税による国内市場の雇用や投資効果も極めて弱く、人件費や設備投資費や研究費などは控除されているために、減税されても株主配当や余剰金ばかりに使わることになります。

なお、今回記事を書くのにあたり、経済コラムマガジン299号、380号、386号を参考にしました。



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