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 そもそも日本は欧米の主要国と比較して、企業の負担率は低いです。また、法人税を減税することは、ビルトイン・スタビライザー機能を低下させるだけにすぎません。しかも、日本の法人税は人件費や設備投資費や研究費などは控除されているため、減税されても株主配当や余剰金ばかりに使わることになり、経済効果が大きいとは言えません。
 TPPはお互いの国にとっては節度のある経済連携協定とはいえないので、デフレを加速させるだけの制度だと思います。
 財政健全化が目的化された場合、景気を冷え込ませるだけなので、景気を良くすることを通じて、税収が上がったり社会保障費を抑えることができたりするなどで結果として財政健全化になる方向性を目指すべきです。
 農家の戸別所得補償については全額を通貨発行としたうえで、品目を拡大させていくべきだと思います。この制度の素晴らしいところは、実際の生産費-標準生産費の枠組みも含まれているために、農家全般に補助金が交付されるだけではなく、付加価値の高い生産費を生産したりコスト削減できたりする農家がより多くの補助金がもらえる制度だからです。このような中身の制度を通貨発行額の増額や日銀の国債買い入れ制度と並行しながらどんどん増やすべきなのが、日本経済の現状かと思います。
 子ども手当についても全額を通貨発行とすべきです。そもそも子育てに対する支出も少ないし、通貨発行なら子育てに関係ない人たちも経済効果を享受できるからです。つまり、子育てを行っている人たちには子ども手当の直接的効果として、その他の人たちには通貨発行によるデフレ脱却効果を享受できます。
 高速無料化については、道路運送法と鉄道事業法と航空法を小渕政権下の改悪前に戻したうえで実行すべきです。このままの状態の高速無料化なら、ストロー効果となり、東京と名古屋を中心とした大都市集約が再び加速すると思われるからです。つまり、2003年の路線バスの規制緩和により高速バスの新規参入が相次ぎ、鉄道、バスなどの値下げ競争となり、ストロー効果が発生したような状態になることも予想できるからです。ただ、2000年の貸し切りバス、鉄道、航空の規制緩和以降、大都市への集約が目立ち始めました。したがって、それら規制を小渕政権下の改悪前に戻すことで、航空における路線認可制の復活のような需給調整機能も回復して、地方の交通も生き残れる道筋が見えてきます。そのうえで高速無料化すれば、国鉄時代のように、安くて地方の経済も生き残れるようになります。ちなみに、交通規制を小渕政権下の改悪前に戻す+高速無料化の案も国鉄時代をヒントにして思い浮かびました。
 公立高校無償化については、それ自体の効果よりも、地方の肩代わりという側面が強いと思います。そもそも、公立高校無償化は地方自治体で行っていた所も多く、その地方自治体は小泉政権下の三位一体改革で財政を壊滅させられたからです。
 社会保障のために消費税増税をすることは、社会保障の応益負担化に他なりません。社会保障の受給者は中所得者以下が多く、消費税増税は中所得者以下の層にとってより負担感が重くなるからです。これでは再分配機能を弱めるだけです。





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