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 比較優位論は現在の日本に馴染まないと思います。比較優位論は18世紀後半の世界観に基づくものであり、現代のような各国間の為替相場の違いを前提としていないことや、生産した物は全て売れる世界観、つまり「比較劣位」となって競争に破れても、生産者は他の物を生産すればよいという世界観に基づくものであり、現在の日本のようなデフレで供給超過の世界を前提としていないからです。
 国内産品の輸出を伸ばすには円高是正を最も必要とします。
 国内産品の国内での生産額を伸ばすには需要を高める政策、つまり国民所得を伸ばす政策を最も必要とします。
 かんぽの宿に見られる不正土地取得や、農業という社会的責任を踏まえると、土地の売買や賃貸借に監視体制を強化していく必要があるかと思います。
 農業の大規模化は2つの理由から反対の立場です。第1点は、東北南部、関東、甲信越の食料事情からくる要因です。魚沼地域は、山あいで土地が大規模化しにくい中で良質の米を生産してきました。したがって、日本には魚沼地域のような大規模化しにくい土地も多いので、大規模化ありきの制度では日本の農業は苦しくなるばかりです。また、首都圏の場合、小規模兼業農家も多く、食糧供給地域の隣県も同様であり、大規模化ありきの制度では首都圏の食糧事情が悪化しかねません。第2点は小泉政権の政策からの観点です。つまり、食糧法改悪による米価の低迷促進と、転作奨励金の大幅削減により大規模農家ほど厳しい経営環境に陥ったままになったからです。以上述べたように、小規模農家や兼業農家を保護していかなければ、世界の食料市場の高騰で被害を被ったハイチみたいな国家となるだけかと思います。
 そもそもTPPは、参加が考えられる国の通貨の中では、円の騰落率がダントツに高く、通貨安の国で生産したほうが利益になりやすいために、日本の資産が海外に食われやすくなるだけかと思います。



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